2017-12-15

響き合う空間展

 先日横須賀からは、はるか遠くの春日部にある匠大塚まで、『響き合う空間展』を見に行って来ました。

エスペンランサというグループ展でお世話になっている加藤豊先生と、伊藤正人先生の作品がありました。

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デパートを改装した巨大なお店ですが、そのエントランスと4Fを使用しての展示。

加藤豊先生はブロンズによる具象彫刻で、非常に格調の高い作品群を展開しています。

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もう巨匠の域に達している力量。モデルを見ないで、イメージでだいたいのものは作れるそうです。

見ていて安心感があり、優しい印象を持つ先生の作品ですが、たまに下のようなドキッとさせる彫刻も作られます。

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これは『運命』と題された作品。

若い女性がモチーフとなっていますが、そもそも人間存在として、誰しもが与えられている所のものでしょう。
自分の思いだけでは到底行きていけない人生です。
運命を受け入れていくしか術はありません。
しかし、その運命を如何にしてプラスの方向に持っていくかは本人の自由。
そこに創造的解釈を加え、新しい自己を創出してゆく仕事こそ、人生の妙味なのでしょう。

先生の哲学的な作品を今後とも深く味わって行きたいと思います。



 次に伊藤先生の作品。

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ここ数年で発表された屋内用の彫刻が多数展示され、壮観でありました。

伊藤先生の石彫は、私的に言えば、非常に平易でありながら切れ味が良く、さらに素材自体の魅力を十二分に引き出しているもの、と感じております。

内容としては、石でありながら石の重さを開放して、なにか他のものに転化させているところがあります。
右写真手前の作品は、普通であったらステンレス作品の形態でしょう。 それを石でやっている所が面白いです。
奥の左右二点はシンメトリーであり、どこか宗教的な雰囲気があります。
(大塚家具さんの高級感とよくマッチしていますね。)

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上の作品は“接合”がテーマになっているように思います。
2つのものの接合・・・。
特に手前の白い石と黒い石との接合は、まずもってテクニック的に圧巻です。
そのコントラストにより互いの質感の味わいを高め合ってもいます。
このように隙間ない接合に対して、距離を保った接合もあります。
それは赤い石2つの接合であり、左右の大きな角柱の接合であり、手前奥の最も遠い石同士の接合でもあります。
さらにザラザラした質感とツルツルした質感との接合もあります。
それらが折り重なって、音楽のような複雑さ、心地よさを表出しています。
室内用としては巨大な彫刻。 圧倒的ですね。

その他にはエスペランサではないですが、若手として清水啓一郎先生の作品も印象的でした。

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この作家さんはリンゴをモチーフとすることが多く、ギリシャ・ヨーロッパ的な雰囲気を得意とするようです。
東京芸大出身だそうで、深井隆先生に通じるものを感じます。
大塚家具のイメージにピッタリですね。

ちなみに先般、パルテノン多摩に行った時撮影した写真。 深井隆氏によるものです。

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あとは、漆芸家・人間国宝 増村紀一郎氏、洋画家の金森良泰氏の作品があり、とても素晴らしい内容の展覧会でした。


もう終わってしまったのが残念ですが、一応HPを貼っておきます。

https://www.takumi-otsuka.jp/special/201711_art/

伊藤正人先生の作品はまだ展示されているとの情報です。
お近くにおい出の際は、是非見にいらして下さい。
プロフィール

キヌケン

Author:キヌケン
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横須賀は衣笠という町で絵の教室を主宰しております。
私自身は、東京藝術大学絵画科油画専攻(学部・大学院)に学びました。
個展、美術の祭典・東京展(上野)、および現代絵画シリウスというグループを結成して活動してます。

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