2018-06-12

田所一紘+SALIOT展

 6月10日(日)から25日(月)まで、休日なしの16日間、私=田所一紘の個展、ならぬ、照明とのコラボレーション展が開催されています。

2018年 田所一紘展 DM表面50     sario宛名面50


主催はミネベアミツミ株式会社。

ベアリングの世界では、特に22mm口径以下の物では世界シェアNo.1。
欧米・アジア含めて、営業所、工場数知れず・・、従業員数10万人以上という、まさしくグローバル企業であります。

そのミネベアさんが多角経営の一つとして手を伸ばしているのが照明器具の世界。
他の追随を許さないシステムでLED照明を開発し、東京三田に昨年9月よりオープンしたSALIOショールームです。

私はその大きな空間の半分くらいを使わせていただいて、ほとんど大作のみで『Symmetry』をテーマに作品展示させていただいております。

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エントランス左側のショーウィンドウから見た風景です。
横幅160cmのタペストリーをかけています。


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6月9日(土)の展示風景です。
設営スタッフ(外注)3名と、照明スタッフ5名(内部)とで合計8名が一日がかりで念入りに飾り付けして下さいました。

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天井は5m近くあります。
白い壁面自体でも4mくらいあります。一番奥の部屋は特に広く、とても贅沢な空間。
そこに私の作品が美しい照明とともに気持ちよく、ノビノビと展示されている様は、作家冥利に尽きる、というものです。

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ようこそ!

展示期間が終わるまでは全容はアップ出来ませんが、いくつかSALIOさんならではの照明の工夫が施され、エンターテイメントを感じさせる一つのショーとなりました。

これからのギャラリー展示の未来予想でもある今回の展覧会は、私の作品で恐縮ですが一見の価値があると思います。

作家のマガママを全て叶えてくれる素晴らしい照明システム。

私はSALIOT展、という一枚の絵を描きました。



2018-04-30

第43回三彩会展 

 4月5日より10日まで、毎年恒例の三彩会展が横須賀市文化会館にて開催されました。

会期中、844名のお客様がいらして下さいました。

私は教室があったり、他の用事があったりと、なかなか会場に詰めることが出来ませんでしたが、皆様の励ましのお言葉をお聞きして、本当に感謝致しております。

この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

取り急ぎ会場風景を数枚アップさせていただきます。

総勢46名の出品でした。

写真に含まれない方々の作品の方が多いです。
またゆっくりと紹介させていただきたいと思っております。

何卒ご容赦下さいませ。

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2018-03-23

第5回現代絵画シリウス展

 去る2月26日から3月4日まで、銀座のギャラリー暁にて開催された『第5回 現代絵画シリウス展』の報告をさせていただきます。

ご来場して下さった皆様、誠に有難うございました。
500名超のお客さまで賑わいました。

シリウス展自体は今回で一応の締め。 来年、今まで参加した作家=16名全員での展覧会を予定しておりますが、基本終わりました。

始まりがあって終わりがある・・・。
とても清々しい。

いったんリセット出来て、次のステージに邁進出来ますね☆


ということで、土曜日に行われたギャラリートークの様子を写真で紹介致します。

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まずは、青木道夫先生。
私の高校時代の恩師であり、国画会の会員さんでもあります。
先生の制作の秘密を少し教えていただきました。
独特な空間作りが素晴らしいです。


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次は、主体美術の会員さんであり、CAF.ネビュラの中心人物でもある長沢晋一さん。
梅渋ながら典雅な抽象作品は会場に潤いをもたらせていましたね。


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ここからがシリウス常連さん。
新世紀美術の重鎮でらっしゃる紀井學さんは、ベテラン・中堅を標榜しているシリウスの中でも最年長。 数年前まではヒマラヤ登山まで敢行するエネルギーの持ち主であります。
どんどん変化するスタイルに“疾風”を感じます。
テーマは『縄文の精神』。
日本人のルーツを掘り起こします。


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抽象とも具象とも解釈出来る独自な作品世界を構築される佐藤忠弘さんも、新世紀美術の作家さん。
最近は大震災をテーマに据えた作品を発表されていますが、緊張感が漂いながら詩情豊かな味わいも醸し出しています。


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基本無所属で活躍されている小山佐敏さんは、数多くのコンクールで賞を取りまくっている有名人。
『生命都市』というテーマにブレはありません!
作家魂の塊のようなお方です。


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東京展美術協会の前運営委員長である齋藤鐵心さん。
私とはかれこれ30年近くもお付き合いさせていただいております。
今回はブルーとシルバーが入りましたね。
とてもシャープでクオリティーの高い作品を作り続けてらっしゃいます。


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最後に不肖=田所一紘。
今回はシンメトリーにチャレンジしてみました。
理屈はそれなりにあるのですが、見る人にはまず、音楽的に感じてもらいたいな、という意図が強かったです。
ちなみにモチーフはタイ・チェンマイの寺院にあるドラゴンであります。

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横の長さはちょうど4m30cmです。

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小品コーナーでは5点陳列しました。
額縁を褒められました♪笑


私の次の展覧会は、5月か6月に泉岳寺はサリオという照明機器のショールームで行われる予定です。
照明とのコラボ、というコンセプトでやります☆
何卒よろしくお願い致します。





2018-02-02

静物油彩デモンストレーション 後半

③ ここからが折り返し地点で『描き込み』となります。

ナイフで不器用に描いてきたフラストレーションがたまっているので、細かい筆なども多用してモチーフの表情を捉えていきます。

色合いもちょっと染まって見えるので、固有色に近い、彩度の高い色を差していきます。

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あくまでベースで作った空間に準じて描いていきます。

そう、“空間”と“モチーフの構造性”が大事なのです。

ドライフラワーはマゼンダのような色をしていますが、手前の華には思い切ってカドミウムレッドパープルなどを使用して、色相を幅を広げています。

ネガティブスペースがわりと大きいので、布地もポジスペース的に扱う意味もあって、柄を積極的に捉えていきます。

①の段階では小さなストライプを空気遠近的に捉えてましたが、花を描くことで全体の関係性に変化が出てきたので、臨機応変に手前のストライプ柄を少し殺しています。

ガラス瓶の取っ手が深い青なので、その印象はいただきです。 でも全部が固有色になってしまうとせっかくの全体との不調和を生んでしまうので、一部紫色などを置いて多色相にします。

たまたまですが、ここまでで1時間。 ①と②を入れると4時間です。

写真ではほとんど描き込んでいないよにう見えてしまいますが、ある程度一生懸命モチーフの面白い所を引き出そうと努力しています。

努力と言っても、つらい気分ではなく、とても楽しく描いています。

でも、絵は常に立ち止まって休み休み描くのが常道です。

じっくり見て、途中経過の絵と対話する時間がどんどん必要となります。



④ プロセスの4番目はですから、じっくり自分の絵を見て、絵自体が次にどこをどう手入れして欲しいのか聞き出す作業なのです。

そこでいくつかの方針が明快になりました。

a 画面左のドライの下部分=布地 → さらに暗い色面を作る。

b ガラス瓶と材木との間にある空間が明るすぎて目立っているので、少し暗くする。

c 材木の上部陰部分が暗すぎて空間を壊しているので、少し明るくする。

d ガラス瓶自体に説得力を持たせる。

e ドライフラワーの枝をちゃんと描く。

f 画面上部の空間が寂しいので、本来そこにはない柄を“捏造する”。

g 材木の木目をもっと描く。

h 手前に落ちている花の枝をちゃんと描く。

などの方針を決めた上で、作業していきます。

20180128_155202切り取りのコピー4 60  (再度掲載)


特にガラス瓶は映り込みを描くなどして、ちょっと立体的に過ぎたかもしれません。リアル過ぎる、と言いますか・・・。

あまりリアルを追求するとせっかくの詩情が失われるので注意しないといけません。

結果的に材木の樹皮部分にオレンジ色を用いるなどして面白い描写になりました。

木目部分も面白くなりました。

aからhまでをこなして、それでも気に入らない所、描き足りない所は目に見えて来ます。

それらを気に入るまでああでもないこうでもない、しながら完成へと持っていきます。

この時は理屈ではなく、本当に感覚的な仕事です。

あとから理屈で説明出来るのかもしれませんが、右脳全開。右脳の感覚機能だけを頼りに追求します。

最終的には白い円錐(石膏)がチープだったので、少しでもコクを出そうともがきました。

写真では、このもがき、は見えないかもしれませんが、かなり取ったり付けたりして逡巡しています。

ジグソーパズルの最後のピースを当てはめるような感覚でもありますが、注意深く、1mm単位で緻密な作業をします。

もっとも緊張する時間です。
  
ちょっとでも色がズレたりすると全体感が台無しになってしまいます。

と言うか、この時点で絵画としての緊張感をかなり高い所まで引き上げているのです。

“緊張感””が高ければ高いほど微細な所が影響するし、ちょっとのことで絵が壊れてしまいます。

この“絶妙の領域”を体験出来るのも、このプロセスでの味わいの一つです。

完成まで合計5時間。 美大の試験ではだいたい6時間で制作させる所が多いですが、絵の中での関係性が構築出来ればそれでOKです。


20180128_155202切り取り集合体50%





 この絵に関しては、あくまでプラクティスであり、人前に出すタブローではありません。

つまりまだ“表現の段階”に達するものではありません。

しかし、“表現”をして行く上での基本的な力を蓄える練習にはなっています。

この“プラットフォーム”にいったん乗ることで可能性がぐんと広がるのです。


例えばDaniel CASTANさんの絵を見てみましょう。

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彼の絵が、以上のような手法の延長線上にあるのが感じられると思います。

また、歴史上の巨匠であるベラスケスの絵を見ても、色彩が絶妙にコントロールされているのが見て取れます。

そして明暗計画が何より重要なのです。

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2018-02-02

静物油彩デモンストレーション 前半

静物油彩プロセス その1


この絵は美大受験における油彩画の基本を分かってもらうために私=田所がデモンストレーションしたものです。

F15号です。

20180128_155202切り取りのコピー4 60      20180130_222854 縮小




しかし、油絵を描く初学者にとっても参考になるメッセージとなる幾つかのエッセンスが盛り込まれています。

最も大事なことは、目の前にあるモチーフを写真的にただ写すのではなく、"絵作りをする”ということです。

もっと言うと、目の前にある物を、そのまま“らしく描く”のではなく、目の前にある物のレッテルを取り去り、名詞性を剥奪し、絵という世界観の中に記号化する、ということ。

モチーフに作家が従属するのはなく、作家が主体となること。さらに言えば、絵という器の中に各モチーフが融解し、各々が絵の一部になりきる、ということです。

言葉でお伝えするのは少し難しいですね。

しかし、このベーシックな経験からもっと本当の意味での写実絵画にも向かうことが出来るし、抽象やイメージ画にもすんなりと移行することが出来うる、

いわば絵の初期的段階における“プラットフォーム”になるプラクティス(練習)なのです。



具体的にそのプロセスを見て行きましょう。


① まず最初は単色でデッサン的に描いていく作業です。 私はまあ安直かもしれませんが、最も便利なウインザーニュートンのペインズグレーを用いています。

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 この色は非常に便利な色で、最初のおつゆ描きでも、途中段階でのグレージング(透明色がけ)にも用いることが出来ます。
 代替品としては、同じ会社から出ているデイビーズグレーというのもあり、綺麗な半透明色です。(透明色に近いかもしれません。)

この段階では水墨画や木炭デッサンをするくらいの気持ちで描きます。 

細部の表情などもある程度追って、見栄えがするくらい描きます。

筆は最初は大きな豚毛を使って、後から細いセーブルなどを使用します。

最終的にペインティングナイフで厚く盛り上げるパートも作っています。

時間的にはこれで1時間半です。

絵には『ベース』が大切です。

これがそのベースに於ける第一段階です。

ここで一番心がけることは自然な三次元空間とモチーフの構造把握です。

私はそれらをひっくるめて“建て付け”と言っています。


② 次に“持ち色”による有彩色付けです。

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あらかじめ3色好きな色を選んでおいて、その色から派生する中間色の明暗グラデーションを作っておくのです。

似ている色相ではなく、かなり異なった色相から選びます。

私は今回、クサカベのフレッシュピンクと、イエローオーカーと、サップグリーンを選びました。

そしてそれらの色に白と黒を適宜混ぜ合わせて渋い“中間色”を作ります。

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よく中間色って言うと、淡くて綺麗なシャーベットトーンを思い浮かべますが、中間色の概念はそのイメージとは異なります。

中間色の定義は、最も彩度の高い純色(ビビットトーン)に白と黒を足した色です。

ちなみに、純色に白だけを足していって作られる色は明清色といいます。 
この中にシャーベットトーンやパステルカラーのイメージも入ります。

純色に黒だけ足していった色は暗清色。

実際色を付けていく段階では明度は気にします。

でも最初のモノトーン描きで、明度は決まっているので、あとは感覚的に同じ明度の“持ち色”を当てはめていきます。

同じ明度の色は3種類くらいなので、仕事は早いです。

固有色には全くこだわりません。 ここが重要。 物の色を写そうとすると、迷走します。
(正確な色を“再現”しようと悪戦苦闘するからです。)

自分の好きな色味で楽しみながら進めていきます。

色数がそんなに無いので、大きな色面を塗るために、ここではペインティングナイフを多用します。

ナイフはナイフの質感になってしまい嫌われもしますが、あくまでトレーニングと割り切って仕事していきます。

大きなナイフで全体が大雑把に塗れたら、今度は小さなナイフで作業します。

本当に細かい仕事は出来ない代わりに、これくらい、といった限度が自ずと見えるのもメリット。

だいたい気に入るくらいまで描いて、この段階で『ベース第二段階』終了です。

ここまででちょうど3時間。

美大の試験ではちょうど昼休みに入る時間です。

この段階で重要なのはやはり固有色から離れる、という体験です。

物が絵の中で融解して色彩が響き合います。

セザンヌの絵には、こうした手法が顕著に見られます。

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プロフィール

キヌケン

Author:キヌケン
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横須賀は衣笠という町で絵の教室を主宰しております。
私自身は、東京藝術大学絵画科油画専攻(学部・大学院)に学びました。
個展、美術の祭典・東京展(上野)、および現代絵画シリウスというグループを結成して活動してます。

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